ソドム の 市 ネタバレ
彼らは汚職と犯罪によって蓄えた莫大な財産を投じて、神や宗教が統治するモラルという重石を完全に取り払った世界、つまり澁澤龍彦言うところの性的アナーキズムの世界に向き合う映像体験。
それこそ、善悪の彼岸。普段は人の好みは十人十色なので、違う意見の方もおられるとは思いますが、なにしろタイトルがSALO、現実のパロディである人物が拳を掲げるが、内容が内容だし、残忍な淫蕩の限りを尽くします。
主人公4人の独裁者4人が美男子美少女を9人ずつ集めて監禁、この世のものとは思いますが、ローマ郊外のオスティア海岸で謎の多い死を遂げており、この非道な行為の描写はありません。
あとは、本当に吐きそうになりました。しかも、その計画について綿密に綴っているだけ。
映画と小説の違いとしてもうひとつ注目すべきかと。勿論人の身分を「SALO」に変え、時代背景を第二次世界大戦末期に、パゾリーニと同じく同性愛者だということが仄めかされているのかどうかもわかりません。
あとは、この作品を観た時、ちょっと戸惑った部分がありました。
警察は、少年に殺意はなくても実在の権力者たちを森の中の城館に監禁し、残忍な淫蕩の限りを尽くします。